学研マンガでよくわかるシリーズ76「ポンプのひみつ」を描かせていただきました!
(※図書館専用書籍であり、一般書店での販売はありません)
「ポンプとは何か?」「どこで使われているか?」「歴史は?」……等々、詳しく解説されており、これを一冊読めばおおむねポンプのことがわかるようになっています。 僕はこの「マンガでよくわかるシリーズ」を何冊か担当させていただいていますが、毎回取材や作品の執筆を通して、それぞれの「ひみつ」に感心しっぱなしです。普段あまり触れる事の無い物に、マンガを描くことを通して触れる。そしてその漫画を子どもが読めば、きっと僕の感じた「すごいなぁ」とか「そうなんだ!」と言う気持ちが伝わることと信じています。
以下は、この本を描くにあたっての裏話。
「ポンプ」の本ですので、自然と機械的な描写が多くなります。写真をそのままトレス(なぞる)出来るような物であればそれでも良いのですが、なかなかそうもいかない場合も出てきます。
そんな時に今回活躍したのが3Dモデリングソフト「Metasequoia(メタセコイア)」です。 特定の物をコピーしたり回転させたりする場合、デジタル的なグラフィックソフトは非常に便利。さらに、それらをクルクルと色々な視点で表示させたりする場合は、3Dグラフィックソフトを使うのがベストです。
metaseq.net – Metasequoia
3Dモデリングソフト「Metasequoia」のホームページ。安価ですが(5,000円!)かなり使えるソフトだと思います。
以下は、実際にこの「ポンプのひみつ」で使用した3Dモデルの数々。昔のポンプやポンプの模型、さらには火力発電所等の背景モデルもいくつかあります。 中にはたった一コマしか出てこないモデルもありますが、おそらく正確に形を取って手描きで描くよりは、3Dで作ってしまった方が早かったと思います。
「パソコンを使ってマンガを描く」のには様々な方法がありますが、中にはこうやって3Dを交えて作画している人も多いようです。まんま「3D!」というものから、「3Dなの?」と聞きたくなるくらい自然に使われている物まで、様々。
何にしろ、作業効率的にも表現的にも個人的には「アリ」だと思っています。けして手抜きとかでは無く、説得力をもってして読者に伝えるためのツールとして活用するのであれば、バンバン使っていくべきなのでは無いかと。
実は僕、どの3Dソフトを使えば良いやら悩みまくっていた時期が長かったため、本格的な3D導入が遅れてしまっていました。しかし、安価で効率よくモデリングが出来る…と言う噂の「Metasequoia」を導入することで、ようやくマンガに活用出来るようになりました。この「ポンプのひみつ」は、そういった方法で描いた最初の作品です。
漫画を読む際に「どの部分に3Dを使っているのかな?」と言った視点で見てみても面白いかもしれません(笑)。図書館、あるいは学校の図書室で見つけたら、是非読んでみて下さいね(^_^)!