CLIP STUDIO PAINT PRO雑感その1

第一回:Illust Studioブラシインポート・紙の質感の適用

5月末にダウンロード販売、7月にパッケージ販売が始まったセルシスのグラフィックソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT PRO」(以下「クリスペ」)。ようやく時間が出来ましたので、何回かに渡ってレビューなどまとめてみたいと思います。

第一回はイラスタで作ったブラシのインポート。そして紙の質感の適用についてです。

●使用バージョン

今月末にはアップデーター(Ver1.0.3)が公開されました。なので今回はこのバージョンを元にレビューを書いていきたいと思います。
ちなみに個人的には、ようやくこのバージョンで必要最低限の機能が揃った、という気がしています。

●IllustStudioとの互換性
セルシスのイラスト系のソフトと言えば「IllustStudio(以下イラスタ)」が有名でした。しかし今回クリスペを出すにあたり開発は終了。すっかり「過去のソフト」となってしまいました。
せっかく今まで描いてきたイラスタのデータ(拡張子XPGファイル)や、作成したブラシファイルも無駄に……なるかと思いきや、クリスペの今バージョンにおいて、各種イラスタデータの読み込みに対応してくれました。


実際、イラスタで作った水彩風ブラシを読み込んでみたところ、バッチリ動きます。動作速度が上がっているせいか微妙に描き味が違うかな…という部分はあるのですが、その辺は再度カスタマイズしたり、描き方を変えることでどうにか対応出来るレベルだと感じました。


ただブラシを読み込む際に何個も同じブラシ先が素材として登録されてしまっていました。そのままでも動作に問題は無いのですがメモリ的に無駄なので、重複している物は消して再度ブラシ先を登録し直しました。ちょっと面倒…。
とはいえ、ブラシが読めないよりは全然いいです。クリスペは今まで以上にブラシのカスタマイズ性が高いため、さらに自分の絵にあったブラシに育てていきたいと思います。


インポートしたブラシで描き上げた水彩風のイラスト。イラスタ同様、アナログ水彩のタッチとそう変わりない仕上がりになっていると思います。

●用紙の質感

このバージョンから「紙質合成」なる機能が追加されました。具体的にはパターンを貼り込んだ後に「紙質合成」アイコンをクリックすることで、そのキャンバスに自然な紙質を合成することができます。


「テクスチャ」というとレイヤー合成モードの「オーバーレイ」を使うのが結構ポピュラーだと思うのですが、貼るテクスチャによってはオーバーレイだと色が大きく変わってしまったりします。なのでその際は「明るさ・コントラスト」などでちょうど良い濃さに調整したりしていました。
が、この「紙質合成」ですと、そのあたりのことを考えず、ホントにスイッチポンで、自然な紙の質感を与えることができます。これはなかなか面白い。


ただ、本来真っ白な部分にも紙質が乗っかってくるため、そういうのが邪魔な人には向かないかも知れません。あくまで「紙に描いた物をスキャンしてそのままアップ」したかのような表現を求めている人向きと言えます。
ちなみに僕は実際の水彩画を描いてスキャンした後、白い部分の質感を完璧に飛ばしてしまうタイプなので……この機能はあんまり積極的には使わない気がします。
が、一つの表現として面白い事は確かですので、ちょっとしたカットの時などには使ってみようかな、とも思っています。


彩度を下げるとさらに手描きっぽさが増します。

さて、今回はここまで。次回はもうちょっとポピュラーな塗りをする際の作業工程について書いていこうと思います。

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