CLIP PAINT Lab0.8.3雑感

CLIP PAINT Lab | 快適で多機能、次世代ペイントツールの試用版
セルシスが開発を進める次世代ペイントツール「CLIP STUDIO」。CLIP PAINT LabはこのCLIP STUDIOの試用版で、製品に搭載予定の一部の機能をいち早くお試しいただけます。新開発 …

セルシスのCLIP PAINT Labの最新バージョン(0.8.3)を入れてみました。
CLIP PAINT Labとは現在販売されている同社製品IllustStudioの後継となるソフト「CLIP STUDIO」のベータ版で、現在定期的に試用版が公開されています。
このソフトは、「トリグラフ」という描画エンジンを搭載しており、IllustStudioでは実現が難しかった軽快な描画が可能…というのが一番の特徴です。


チャチャッと描いてみたサンプルイラストがこちら。やはりIllustStudio同様、ナチュラルなタッチには向いているようです(…いや、もちろん「いかにもCG」っぽいイラストも描けますよ!)

「バージョン1」が製品版になるということを考えると、0.8.3といえばもう「かなり製品版に近い」はずです。
ただ、ちょっと使って見たところ「それほど近くもないかもしれないぞ」という印象を受けました。何より、搭載されている機能がまだ少ない。IllustStudioと比べても、6割とか7割くらいでは?と感じました。まぁ、この辺はベータ版なので仕方の無いところなのかも知れません。

そのあたりも踏まえつつ、以下に良い部分、微妙な部分を合わせて列挙してみます。

【良い部分】
  • 確かにIllustStudioよりも軽いです!
  • 線の補正は今まで通り良い感じです。SAIやIllustStudioくらいのペン入れは出来そう。
  • 「閉曲線フィル」が塗りつぶしツールに統合されている。確かにこの方がわかりやすい。他にもそういった細かい配慮が随所に感じられます。
  • スクラブズーム(マウスのドラッグで滑らかに表示を拡大縮小)が可能。もちろん今まで通り、矩形でズームすることも可能です。
  • 色調補正系がそこそこ充実してます。また「色調補正レイヤー」で補正も可能なので、非常に便利。
  • レイヤーを2ペインで表示可能。要するにレイヤーパレットが二つになったような感じ。レイヤー数が増えてくると地味に便利です。
  • 0.8.3からは、設定時の数値の単位をpxとmmの2種類から選べるようになりました。これにより解像度を気にすることなくブラシサイズが設定出来ます。コピックマルチライナーやピグマなどのミリペンを使っていた人は、mmの方がわかりやすいのではないでしょうか。
【微妙な部分】
  • 透明部分が表示できない?「0.8.3には搭載される!」と予告されていた透明部分の表示が出来ないっぽいです。Photoshopであれば「背景」を非表示にすれば透明部分である市松模様が見えますし、IllustStudioでも「用紙」をクリックしたり、任意のアイコンをクリックすることで透明部分の表示が出来ました。でもCLIP PAINT Labだと出来ない。謎です。
    …例えば、自分が白目部分を塗ってるのか塗り残してるのかチェックするにはどうするの?「下に色を敷け」って?なんでそんなSAIみたいな手間をかけなければいけないのか…。とにかくその他にも作画中戸惑うことが多すぎるので、ホントにまだ非搭載ならぜひ早いうちに搭載して欲しいです。
  • レイヤーマスクの仕様が変。これはIllustStudioでもそうだったのですが、レイヤーマスクにおけるレイヤーオブジェクトの表示非表示が「色で塗る」と「透明色で塗る」で切り替えるようになっています。これはめちゃくちゃに使いづらいです。
    例えば「この部分の半透明具合を別の場所でも再現したいな」と思ってマスク色をスポイトで取っても、結局色が取られるだけでそこの透明度はスポイトで吸い取れないのです。
    これがPhotoshopですと、レイヤーマスクは「白で表示黒で非表示」という単純明快な仕様になっています。半分透けさせたい場合は50%のグレーを塗る、とかね。これだとスポイトとの併用で完璧に透明度を管理することが出来るため非常に便利。ぜひCLIP STUDIOではこちらの方法を採用していただきたいです。もし現状のままでいくなら多分僕はレイヤーマスク自体使わなくなるんじゃないかな(事実IllustStudioでも使ってないです)。
  • ショートカットが弱い。僕はかなりショートカットを使う人なのですが、とにかく有用なショートカットが少ない、という印象です。他のソフトではAltキーを押しながらレイヤーの目玉アイコンをクリックすると「そのレイヤーだけ表示して他は非表示にする」ことになりますが、CLIP PAINT Labだとただ普通にそのレイヤーが非表示になるだけ。不便極まりないです。あとレイヤー系でいうとPhotoshopにある「Ctrl+Alt+Shift+E」という「表示レイヤーを別レイヤー(あるいは空レイヤー)に統合」というのも結構便利なので、搭載してもらえると嬉しいです。
    あとは、投げ縄選択の「ドラッグ中にAltキーを押すと一時的に折れ線選択ツールになる」的な機能もPhotoshopだと地味に便利。僕は古い時代のPhotoshop使いなので、選択範囲系は本当によく使うのです。
    さらに、Shiftによる方向制御もまだまだ弱いです。レイヤー移動ツールを選択した状態でShiftをプレスすると方向制御が効きますが、他のツールを使用しているときにCtrlキーを押し(要するに一時的にレイヤー移動ツールに切り替える)、さらにShiftキーを押しても方向制御が効かない。この辺はね、効くべきだと思いますよ。
  • IllustStudioにあった定規が未搭載。パース定規や対称定規の搭載はもうちょっと先だそうです。
  • カスタマイズ系が弱い。オリジナルのブラシやパターンが作りづらいか、むしろ作れない。当然Photoshopの「プリセットマネージャ」に相当する機能もないため、実質デフォルトのツールでなんとかしないとダメな状態。
  • とにかくこの辺の「今まであった機能が無い」的な部分がかなり目に付きます。
  • 不具合系も多し。これ(リンク先参照)なんかもかなり致命的な不具合です。なるべく早いうちにこう言った大きな不具合がなくなっていくと良いのですが。

以上、かなりランダムに書いてきました。もちろん今のままでも上記のような簡単なイラストなら描けますが、複雑なものとなるとまだちょっと難しいかもしれません。特に、パース定規や自作ブラシなどを多用していた人などは、実質何も描けなくなってしまう可能性もあります。
もちろんしばらくは今まで通りIllustStudioを使えばいいと思いますが、IllustStudioは遠からずサポートが終了してしまうソフト。やはりなるべく早いうちに今まで使えた全機能は搭載していただきたいところです。制作の方々、どうかよろしくお願いいたします!

なお、これから先のアップデート予定はこちら。他に要望を受け付けている掲示板もありますので、製品番発売前にバンバン要望を出して使いやすいツールにしてもらいましょう!

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